思考のクセを手放す習慣―「今ここ」へ戻るために―

忙しい日々の中で、ふと気づくと頭の中がずっと動いている——。

会話を何度も思い返したり、明日の予定をシミュレーションしたり。
寝る前になっても、考え事のスイッチが切れずに心が落ち着かないことはありませんか。

私たちは一日のうち、実に半分以上の時間を“思考の世界”で過ごしていると言われます。
特に責任のある立場にいる女性ほど、常に何かを考え、判断し、先を読もうとする「思考モード」が働き続けています。
それは仕事を支える大切な力である一方、心を疲れさせる要因にもなります。

|「思考のクセ」がつくる心の疲れ

心が疲れる背景には、“思考のクセ”が隠れていることがあります。
例えばこんなパターンです。

  • 完璧主義のクセ:「もっとできたはず」と常に自分を責める

  • ネガティブ予測のクセ:「失敗したらどうしよう」と最悪を想定する

  • 他人基準のクセ:「どう思われるか」が気になりすぎる

  • 比較のクセ:「あの人と比べて自分は…」と落ち込む

これらは誰にでもある“自動思考”と呼ばれる心の動き。
脳が身を守るために過去の経験から作り出した「安全装置」のようなものです。
けれど、いつもそのモードでいると、現実を歪めて捉えたり、自己否定のループにはまったりしてしまうのです。

|「気づくこと」からはじまるマインドフルネス

では、どうすればこの思考のクセから抜け出せるのでしょうか。
そのカギが マインドフルネス(Mindfulness) です。
マインドフルネスとは、「いま、この瞬間に注意を向けること」。
浮かんでくる思考や感情を“良い・悪い”と判断せず、ただ気づいて見つめる練習です。
たとえば、
「また考えすぎてるな」
「不安が出てきたんだな」
「頭が先に走っているな」
と、心の動きを“実況中継するように観察する”だけでOK。
それだけで、思考に飲み込まれていた自分と、少し距離をとることができます。

|日常でできるマインドフルな習慣

難しいことをする必要はありません。
まずは日常の小さな瞬間に「気づく」練習を取り入れてみましょう。
 朝の支度中に香りを感じる
アロマを手にとって深呼吸。
「この香り、今日はどう感じる?」と五感を使って今に戻る。
 食事の一口目を味わう
「噛む」「香る」「温かい」といった感覚を意識する。
スマホを置いて、身体が受け取るサインを味わう時間に。
 通勤途中に空を見上げる
考え事をしているときほど視線は下に向きがち。
空を見上げて深呼吸するだけで、思考のスイッチを一度リセットできます。
 夜、1日の終わりに「今の気分」を言葉にする
「疲れた」「ほっとした」「なんとなく不安」——。
ジャーナルに一言書くだけでも、心が整理されていきます。

|手放すことで「余白」が生まれる

思考のクセは、無理に止めようとしなくても大丈夫。
大切なのは、「考えている自分に気づく」ことです。
気づくことで、心に少しずつ“余白”が生まれます。
そしてその余白は、創造性や直感、そして自分らしい選択を取り戻すためのスペース。
思考を手放した先に、ほんとうの自分の声が聞こえてくるのです。

💫今日の小さな処方箋
立ち止まり、深呼吸しよう。
「いま、ここにいる自分」に戻る時間を1日にひとつ。

投稿者プロフィール

長南 百合絵
長南 百合絵くれたけ心理相談室(東京本部)心理カウンセラー
東京都品川区のメインルームを中心に、東京23区 神奈川県川崎市にて心理カウンセリングを承っております。エリア外の皆様にも、ズームや電話等によるオンラインカウンセリングにて対応しております。

あなたにとってのウェルビーイング(=心も身体も健康な状態)を大切にしましょう。

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